ユンボにまたがって

聴いた音楽の感想等々

Heaven In Her Arms 「白暈」

日本の5人組ポストハードコアバンドの2017年発表のおよそ7年ぶり3枚目の「はくうん」と読むアルバム。

 

Convergeの曲名からバンド名をとったと思われるこのバンド。Convergeほどのカオティックはないがトリプルギター編成の途轍もない破壊力を四方八方にぶっ放している。envyのような逼迫感溢れるボーカルとMONOが持ち合わせている楽器陣の壮大さと悲壮感を合わせ再構築したイメージというのが一番わかりやすいかもしれない。「月虹と深潭」では激動と静寂のコントラストが絶妙であり、疾風怒濤の激烈なサウンドから一転してクリーントーンの繊細なアルペジオがさらなる深淵へと誘う。3本のギターが織り成す想像以上の立体感がこのアルバムの目玉かもしれない。3本のギターがそれぞれお互いを邪魔せずに分かれていて奥行きと広がりをもたらしている。「赦された投身」では地を這うようなリフと怒濤のトレモロピッキングが聴き手を圧倒する。最終曲の「幻霧」は11分近くある大作であるが、ずっと息をつく暇もないほどの緊張感が漂っており長さを一切感じさせず飽きさせない展開と構成で、あっという間の時間を過ごすことは間違いない。トリプルギターによる3次元的なサウンドが生み出す儚さと力強さに溢れている珠玉の作品。

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9.1/10.0