ユンボにまたがって

聴いた音楽の感想等々

The National 「Sleep Well Beast」

2017年発表の7作目のアルバム。

 

優しいバリトンボイスとゆったりとずっと同じビートを刻み続ける「Nobody Else Will Be There」から始まる。それから一転しアップテンポな「Day I Die」。物騒なタイトルとは裏腹にエネルギッシュなギターリフが高揚感をもたらす。しかし歌詞はもの悲しげな歌詞となっている。渋みのあるバリトンボイスのボーカルの声とどっしりとした楽器陣の安定した演奏。メロディやリフにポップさがある反面、不可思議な電子音やノイズといった実験的要素が散りばめられている。「Turtleneck」ではちょっと変えれば邪魔にしかならなそうなギターが歌をうまい具合に引き立てている。そういった邪魔になりそうな要素さえも上手く目立たせず隠し味、雑味のような効果をもたらしている。他にもコーラスなどで壮大なサウンドに奥行きや立体感を出している。各紙で前作を上回る大作と言われているがまさにその通りの出来のアルバムである。

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8.7/10.0