ユンボにまたがって

聴いた音楽の感想等々

Prophets of Rage 「Prophets of Rage」

RATMの楽器陣、Public Enemy、そしてCypress Hillらによるスーパーグループによるデビューアルバム。

 

 RATMではザック・デ・ラ・ロッチャ、Audioslaveでは亡きクリス・コーネルといった強烈なボーカルと今までやってきた彼らRATMの楽器陣が今回はヒップホップ界のスターらを迎えてバンドを組み、そのデビューアルバムという強烈なデビューアルバム。RATMの楽器陣はいつも通りのヘヴィな演奏である。モレロの変態ギターやティムの図太いベースの音、ブラッドウィルクのシンプルで力強いドラムは未だ衰えることを知らないようだ。ただヒップホップ色が強いボーカルなのでその軽快さを生かすためかギターリフもRATMやAudioslaveほど単純明解でヘヴィな曲中にずっと這い回るようなものではなく、軽やかなギターリフが多いように思える。特に「Take Me Higher」はジョン・フルシアンテ期のRHCPのような曲でそれまでのモレロ像とは異なるものである。しかし「Radical Eye」のイントロやギターソロのワーミーはいつも通り変態である。「Unfuck the World」のイントロやメインリフ、変態ギターソロはRATMを彷彿とさせるものの、ヒップホップ寄りなためRATMやAudioslaveのようなヘヴィさを期待して聴くと肩透かしを食らうかもしれない。今まで同様、もしくはそれ以上のアティチュードで、現代社会が抱えている問題やアメリカ自身の問題などに対しての怒りの歌であることは間違いない。ギターソロは間違いなく一貫した変態トムモレロである。ジャケットの如く拳を高々と突き上げたくなる一枚。

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6.9/10.0