ユンボにまたがって

聴いた音楽の感想等々

Friendship 「Ⅰ&Ⅱ」

アメリカのSentient Ruinから2017年にリリースされた千葉県出身のハードコアバンドのFriendshipによる今まで出した音源の編集盤。

 

初っ端から終わりまで音の暴力といった楽曲が続く。オープニングは「Jerusalem」でわずか30秒ほどで音の洪水を巻き起こしながら疾走していく。「T.R.Ø.Y」は遅いテンポでフィードバックノイズを中心とした暗黒の世界といった容貌のドゥーミーな楽曲である。途中噴火するかのように突如暴力的な疾走する演奏へと変貌を遂げ、またドゥーミーになるという目まぐるしい楽曲である。またジャズピアニストの名前を冠した「Bill Evans」も全くジャズらしさの欠片もなく破壊的な演奏で音が塊となって押し寄せてくる。わずか39秒で脅威の構成を魅せる「Low」はハードコアを体現している。クローザーの「El Chapo」は比較的遅めのテンポで最後まで一貫して暴力を振るい幕を閉じる。ビートで踊らせる気もサラサラなく、ブレイクダウンというよりはもはやドローン系まで行ってしまうテンポになるので暴れることもできない。音楽にノって云々というのは一切できないストイックさを感じることができるほど重低音とノイズによる音の洪水が起きている。Suicide SilenceのMitch Luckerを彷彿とさせるようなボーカルでクリーンな声は一切なく、全体を通してバンド自体が歪んだ重低音の暴力である。曲はハードコアを基調としているからか短く、アルバム自体も12曲収録されていながら26分という短さである。ジャケットのギロチンに象徴されるような暴力性に富む、というか富み過ぎなアルバム。

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7.5/10.0