ユンボにまたがって

聴いた音楽の感想等々

羊文学 「トンネルを抜けたら」

スリーピースバンドによる2017年発表のデビューEP。

 

メロウな歌声で優しく包み込むようなボーカルがメランコリックなメロディを歌う。オープナーの「雨」はイントロの程よく歪んだクランチのギターの残響音が耳に残る寂しげな楽曲である。「春」では四拍子からワルツになったり8分の6拍子になったり展開が多く、マスのような感じもある。また「Blue.2」はシューゲーザーのような歪みまくりのギターとメロウなメロディが楽曲の持つ悲しさを出している。クローザーの「Step」は自己否定的な歌詞で最後に一筋の光があるような歌詞で、基本的にはクリーントーンが基調となっているが、ファジーな間奏が一気に感情を昂らせる。収録されている楽曲全てが空間系のかかった浮遊感のあるギターと存在感はあるが邪魔になっていない動くベースによって寂しげだったりメランコリックな雰囲気を醸し出されており、ねごとのような雰囲気を更に沈めていったような感じがある。歌詞は沈痛な悲壮感のある内省的で曇り空のようである。フルアルバムではどうなるか注目のバンド。

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6.8/10.0