ユンボにまたがって

聴いた音楽の感想等々

METZ 「Strange Peace」

Sub Pop所属のカナダ出身の3人組による2017年発表の3枚目のアルバム。

 

今作ではエンジニアにスティーヴ・アルビニを迎えている。オープナーの「Mess of Wires」から相変わらず荒々しい音で、さらに磨きがかかって音に鋭さがあるように思える。攻撃的なドラムとブリブリと唸るベース、そして歪まないアンプを限界まで歪ませたような音のギターが一丸となって押し寄せる。しかし3人が生み出すこの轟音は決して耳障りな音にはなっておらず、またメロディも良い。特に「Cellophane」は印象的なリフにポップなメロディが乗っておりポップパンクのような趣きがあり、よりハードコア的に尖ったDinosaur Jr.といった感じがある。ただただノイジーな爆音で爆走するだけでなく、「Sink」のようにテンポも遅めで歪みも要所要所のみといった穏やかではあるが不穏なメロディとリフの曲もあり、アルバムのアクセントとなっている。またハードコアからの影響が伺える「Escalater Teeth」や「Dig a Hole」といった数十秒で駆け抜ける曲もある。相変わらずノイジーな生々しい爆音で駆け抜けていくのは如何にもSub Popとスティーヴ・アルビニいった感じがある。

f:id:tortillarhcp:20171015081842j:image

7.8/10.0