ユンボにまたがって

聴いた音楽の感想等々

Kartikeya 「Samundra」

南インドの古典音楽カルナータカをベースにしたプログレッシブメタルのKARTIKEYAによる5部作の1作目。

 

Djentのようなザクザクとした低音の刻みや激しく歪んだギターの洋風なサウンドに合わせて何の楽器の音かさっぱりわからないがエスニックな音色の美しいサウンドが唯一無二の世界を作っている。また宇宙のように広大で荘厳な世界観とともに呪詛的な怪しく禍々しい民俗的世界観もある。色々インドに対するイメージはあると思うが、我々がなんとなく想像するインドのイメージがそのまま伝わるメタルの楽曲となっている。オープナーの「Dharma, Pt. 1」はイントロからDjentのようなサウンドであり、途中インド的なメロディと民族楽器の笛のような音色で頭にインドの密林のイメージが広がる。「Durga Puja」では耳慣れない楽器の音と途中にあるお経のようなものがエスニックな雰囲気を出している。「Mask of the Blind」はいかにもインドといった幕開けから激しいメタルサウンドへ突入しつつも独特な楽器の音で程よくインド感を織り交ぜている。プログレといっても変拍子を多用するというよりはアルバムを通して一つの大きな楽曲、壮大な世界観を表現しているといった感じがあるプログレメタルという感じがする。とくに「Kannada」という楽曲名はカンナダ語という南インドの州の公用語のことで歌もおそらくインド人がインド的メロディで歌いバックはひたすらメタルというおもしろさがある。インド×メタルというバンドで今作は「水」がテーマであるが残りの4部作は木、火、土、金とかだったりして。

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7.9/10.0