ユンボにまたがって

聴いた音楽の感想等々

If Anything Happens To The Cat 「Mangata」

ベルギー産ポストロックバンドによる2017年発表の2枚目のアルバム。

 

アンビエントやAmerican Footballのようなエモ的要素を含んでいるポストロックバンドである。オープニングの「Lakesides, Endless」は悲しげなアルペジオが主体となって浮遊感のある幕開けとなっている。時間をかけて徐々に展開し盛り上げていき、後半のエモーショナルなギターリフと雰囲気に圧倒される。また8分半を超える長尺曲の「Echo Park」は独特の世界観がある。ボーカルが幾人も重なっていており奥行きがある。また後半の展開も劇的で、前半の浮遊感を踏襲しつつ、遠くで鳴っている音がいきなり目の前にあらわれ、郷愁的で儚げなボーカルが揺さぶってくる。8分半を超えるとは思えない楽曲で、無重力空間を漂っているような気持ちになるほどの浮遊感がある。また「Five Lion Mountain」では浮遊感がありつつ轟音系ポストロックのように厚みのある演奏と、マス系のような早弾きが魅力的である。7曲44分とコンパクトにまとまっており、ジャケットにあるような宇宙空間を漂うような気持ちになる。またアルバムのタイトルの「Mangata」もスウェーデン語で「水面に映る道のような月明かり」という意味で、幻想的な宇宙空間の雰囲気がタイトルやジャケット、そして楽曲から伝わってくる。

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7.4/10.0