ユンボにまたがって

聴いた音楽の感想等々

米津玄師 「Bootleg」

2017年発表の4枚目のアルバム。

 

タイアップ曲などで先に発表されていた曲が多く寄せ集め感が出て散らかったような印象かと思いきやそんなことはなく一つ一つが存在感を発揮しつつも一つの大きな流れとしてまとまりのあるアルバムとなっている。「海賊版」という題名だが、オリジナリティが無いというわけではなく、様々なジャンルからの影響を感じさせつつも消化してオリジナルのものへと昇華している。オープニングの「飛燕」は軽快で爽やかなギターで始まり耳に馴染むサビが心地よく、まさしく大空が眼に浮かぶようである。そこから「Loser」ではファンキーなブレイクビーツのアッパーチューンとなっている。「砂の惑星」では縦横無尽に暴れるがベースが邪魔にならないうまくバランスをとって存在感を発揮している。「Moonlight」はアンビエントのような雰囲気と実験的なボーカルが朧げで浮遊感をもたらしている。「打ち上げ花火」ではどこか懐かしいようなメロディが印象的である。またクローザーで菅田将暉とのコラボの「灰色と青」も目玉の一つであろう。全体的に隙間なく音が詰め込まれているが息苦しくはなく、濃密ではあるけれども聴いていてもあまり疲れないようなバランスがとれている。

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7.6/10.0