ユンボにまたがって

聴いた音楽の感想等々

Glassjaw 「Material Control」

NYのロングアイランド出身で1993年から活動しているポストハードコアバンドによる15年ぶりの3枚目のアルバム。

 

直前でのリークがなければサプライズ発売となった今作は全曲でTDEPのドラマーがドラムを叩いている。ポストハードコアと言われてはいるがカオスさが垣間見れ、特にギターは縦横無尽に暴れ、ノイズやノイズの一歩手前のような狂気的な演奏が印象的である。ベースは図太く歪んだ音でうねり存在感をこれでもかと発揮している。ドラムは言わずもがな激しく力強い。ボーカルも歌ったり叫んだりと楽器隊の狂気に負けじと狂っている。アルバムの1曲目の「new white extremity」からエンジン全開で狂っている。それでいてポップなメロディがノイズの突風の中でところどころで垣間見れる。息つく間もなく次の曲次の曲へと進む推進力が凄まじい。「shira」ではノイジーなギターソロやポリリズム的なリフが冴え、そこから雪崩れ込むように「citizen」へと続く。また「strange hour」は激しくはなく、歌を聴かせるタイプの楽曲である一方で絶妙なリズムのベースがトリップ感を生み出している。一方で「closer」では疾走感のあるハードコアなスピードに溢れたビートの曲で幅の広さを感じる。民族音楽を思い起こさせるような打楽器のリズムや2つの楽曲で1つの楽曲となっている構成の楽曲など前衛的な姿勢が感じられる。ただトチ狂ったかのような楽曲はなく、どちらかと言えば落ち着いた感じで大人になったイメージがある。

f:id:tortillarhcp:20171214221125j:image

7.1/10.0