ユンボにまたがって

聴いた音楽の感想等々

Earthless 「Black Heaven」

カリフォルニアのサンディエゴのスリーピースバンドである彼らの5年ぶりとなる4枚目のフルアルバム。

 

インストバンドとしてよく知られている彼らであるが今作では収録されている6曲のうち4曲でギタリストであるIsaiah Mitchell がボーカルを担当している。強烈なギターサウンドと反復するリフがサイケデリックな世界へと聴き手を誘う。あくまでもインストバンドであっただけあって歌よりも楽器陣の演奏が楽曲の主役であって、ギターソロなどのインストパートのほうが歌よりも研ぎ澄まされているような風格さえある。特に「Electric Flame」の後半のジャムパートと表題曲の「Black Heaven」は3人が鎬を削っているかの如く激しい応酬がある。さらに「Sudden End」では哀愁漂うイントロからの寂しげな歌のメロディーが荒野の中にいるかのような気分になる。ただ爆音でけたたましい音でサイケデリックさを生むだけでなく、泣きのギターで聴き手をトリップさせるのは彼らの真骨頂であろう。8分を超える長尺な曲が3曲と、大胆にボーカルを入れてくるアルバムで、彼らの新境地へと進みつつも激しいサイケデリックでブルージーさがこれでもかと詰まっている。

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8.4/10.0