ユンボにまたがって

聴いた音楽の感想等々

2018年のライブ

今年は17回ライブに行きました。来日公演の二日間両日行くとかわけのわからないことをしたなあって感じが多々ありました。まあそんな感じでよかったアクトをあげたいと思います。

 

1. Nine Inch Nails (Sonic Mania)

ようやく見れたNIN。好きな曲も聴けたのも嬉しかったけど、それ以上に観客に歌わせたり、客席まで下りてきたりして大興奮でした。早く単独公演してほしい。

 

2. envy (Last Wish)

downyの裕さんが急逝したりいろいろあった時期にあった新生envyの初ライブ。「天国の裕さんに捧げます」の一言でダカダカダンって「さよなら言葉」が始まってステージが明るくなったらテツさんがいた。ライブの内容もよかったけどそれ以上にテツさんがいたことが衝撃だった。

 

3. Sleep (Leave Them All Behind)

なんかモッシュとかしてないのにやたら疲れたから多分幽体離脱してエルサレムを目指していたのかもしれない。

 

4. Amenra

80分やってたらしいけどあっという間に終わった。"痛み"を感じた。

 

5. City of Caterpillar

激情ハードコアとポストロックって相性がいいんだなって感じだった。まな板エフェクトボードがよかった。

 

今年はYou Tubeでのライブ配信にも感動しました。フジロックのFever 333とかCave Inのベーシスト追悼のためのベネフィットライブでのCELESTIAL (Isis)のライブを部屋にいながら見れたので便利な時代だなと思いました。CELESTIAL最高だった。

2018年のアルバム

なんだかんだ途中から全く更新しなくなりましたが、年の瀬ですのでよかったやつを上げていきたいと思います。面倒なので順位はつけません。

 

1. Sleep 「The Science」

世界大麻の日である4月20日に突如発表されたアルバム。今までは聖なる山やエルサレムを目指していたのが今作では宇宙へ到達してしまった。煙たいリフは健在で、High on FireやOmでのそれぞれの活動が生み出したアルバム。「sleep the sciences」の画像検索結果

 

2. Beartooth 「Disease」

元Attack Attack!のVoが率いるバンドの3枚目のアルバム。みんなで歌える哀愁的なメロディーがグッとくる曲が多数で聞きやすいアルバムだった。

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3. Cult Leader 「A PAatient Man」

Vo以外Gazaで結成されたマスコアバンド。スラッジ色が強めに出ているので個人的に最高な感じだった。

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4. Earthless 「From the West」

新譜のBlack Heavenも今年発表されたものの、よりEarthlessらしさが全面に展開されているのがこのライブ盤だ。収録時間はくそ長いように見えるが聴き始めるとあっという間に終わってしまう。Led Zeppelinのカバーも良い。

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5. Lang 「There is no reply, but sweet wind blew」

日本の激情ハードコア。歌詞が非常に日本文学に寄り添ったかのような歌詞で、宮沢賢治を連想させたり、三島由紀夫を直接指すような「駐屯地で腹を切った男」といった歌詞が出てきて面白い。なにより歌がかっこいい。

「lang there is no reply but sweet wind blew」の画像検索結果

 

6. Palm 「To Live Is To Die, To Die Is To Live」

アルバムのオープニングの曲から「お前に言ってんだよ カス」と怒鳴られる。ハードコアに軸足があり様々な方面のものを吸収した感じがある。音我苦では音楽はただ楽しいだけのものではない、なぜこんな激しいジャンルをやるのかという意思表示と決意表明のようでもある。

「palm to live is to die to die is to live」の画像検索結果

 

7. Slow Crush 「Aurora」

まじマイブラ。説明不要。

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8. Snail Mail 「Lush

シンプルなんだけど奥深い。Julian Bakerと比べられているようでもあるけれど、個人的にはこっちのほうがなんか落ち着きがある気がする。

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9. Svalbard 「It's Hard to Have Hope」

政治的メッセージが聴く前からアルバムタイトル、曲名からガンガン伝わってくる。女性ボーカルとは思えないアグレッシブなスタイルである。女性だから、男性だから、といった先入観はやはりよくないな。

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10. Vein 「Errozone」

始まりから終わりまでシームレスに繋がる音の暴力的アルバム。半端なかったので来日してほしい。

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11. killie 「犯罪者が犯した罪の再審始まる」

既発曲を再録した編集版ではあるが、もともとこういうコンセプトでアルバムを作ったのではというくらいまとまっている。

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12. The Ocean 「Phanerozoic I: Palaeozoic」

ドイツ産ポストメタルバンド。Isisが解散したシーンを引っ張っていくのは彼らだと思う。

 

13. Fever 333 「Made an America」

フジロックでの奇行とスタッフに感謝する礼儀正しさで話題騒然となった彼ら。ベースレスという特殊なスタイルだが音に薄さは感じられない。来年の新譜と来日が楽しみ。

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14. Frontierer 「Unloved

TDEPをより不可解で極悪にした感じ。好きなアルバムというより、今年一不可解過ぎて印象に残ってしまったアルバム。よくわからない。

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15. YOB 「Our Raw Heart」

人生、生、死を紡ぐ長大なドゥーム曼荼羅

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16. FINLANDS 「BI」

なにごとにも表と裏、左と右、上と下、手前と奥、自分と相手みたいな関係がある。

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Svalbard 「It's Hard to Have Hope」

UK発の女性ギターボーカルによる激情系ポストハードコア、ポストメタルバンド2018年発表の2ndアルバム。

 

初っ端から最後まで息切れすることなく無給のインターン、リベンジポルノ、女性蔑視など社会に対する怒りのエネルギーに満ち溢れている。ブラックメタルのようにトレモロでひたすら弾き続けるギターと要所要所でツインを踏むバスドラ、ずっしりと響くベース、空気を切り裂いてくるようなボーカルが一丸となって押し寄せてくる。曲名からメッセージ性が強い2曲目の「Revenge Porn」は6分を超す少し長めの楽曲であるが、展開に緩急があるため不思議と長く感じない。途中優しく語り掛けるようなボーカルは荒天のなかに差し込む太陽の光のような温かさがある。また続く「Feminazi?!」では疾走感のあるビートで曲を牽引し、ツインで踏まれるバスドラが焦燥感を煽る。時折ハードコアやメタルだけでなく、浮遊感や空間を音で埋め尽くし、音の壁を作る要素などポストロックやシューゲイザーなど様々なジャンルを吸収し、一か所にとどめることができないアルバムとなっている。最後の「Iorek」は温かく包み込むようなインストとなっており、ただ怒りと絶望だけでなく、その先の世界を見据えたような終わり方となる。ボーカルであるSerena自身、ハードコア・メタルシーンにおいてハラスメントに苦しんできたとインタビューで語っており、その過去がこのアルバムの怒りの温度を上げている一因となっている。女性ボーカルだからという先入観などを持つことなく、Svalbardというバンドの曲として、アルバムとして聴いてみるべきアルバムである。

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9.1/10.0

FINLANDS 「BI」

2018年発表の2枚目のアルバム。

 

高音でキュッと鳴る声が特徴であるFINLANDS、今作でも1曲目の『PET』からその音が聴ける。二面性があるという今作は、曲の緩急がハッキリとしている。スピード感があり、途中自由に音を出すギターが特徴の『yellow boost』とゆったりとした『勝手に思って』がアルバムの前半においての速度の二面性がある。また『sunny by』ではベースを主体としたシンプルであるが奥行きのある暗い曲となっている。その直後の『PLANET』は突然の明るい声で戸惑うほどである。後半は『electro』が一番アップテンポの曲で、また四つ打ちのダンスナンバーとなっている『ブームダンス』といった踊れる曲があったり、ゆったりとしたテンポの曲があるなど、バラエティー豊かである。

全体を通してみると高音でキュッと鳴る声は以前に比べると頻出してこない気がする。その一方で優しい声が主体となることで、ここぞというところで効果的に使われており、ヴォーカルの塩入冬湖の感情が入っているところが際立っている感じがある。

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7.5/10.0

The Get Up Kids 「Kicker - EP」

アメリカのエモ、オルタナバンドによる7年ぶりとなる2018年発表のEP。

 

オープニングの『Maybe』からメロディアスなポップパンクの明るい歌とシンプルなギターが印象的である。青臭いメロディーが突き刺さる。特に『I'm Sorry』はイントロから青臭さが一段と際立っており、歌詞もなんだかへっぽこな人を歌ったかのような歌詞であるが、疾走感がありながらどこか能天気な感じのメロディーが哀愁を誘い、90年代の歌だといった感じの曲である。

収録は4曲のみで、疾走感とポップなメロディーが全編にわたってあり、12分強ではあるが短く感じる。

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7.3/10.0

The Fever 333 「Made an America」

ヴォーカル、ギター、ドラムという編成で2017年に結成されたバンドによる2018年発表のデビューEP。

 

フロントマンであるJason Aalon Butlerは、2017年に解散したLETLIVE.というポスト・ハードコア・バンドのヴォーカル、NORMA JEANの初代ヴォーカリストによるバンド THE CHARIOTの元ギタリストであるStephen Harrisonと、テクニカルなポスト・ロック・バンド NIGHT VERSESでも活躍するドラマー、Aric Improtaによるスーパーグループでもある。2018年のフジロックにおいて激しいパフォーマンスとパンツ一丁で演奏する姿で心を奪われた人も多いであろう。

 

RATMを彷彿とさせる攻撃的で切り裂くようなヴォーカル幕を開ける表題曲『Made an America』で幕を開ける。ただのラップロックというだけでなく、観客も一緒に歌えそうなサビや頭を振りまくれる低偏差値ブレイクダウンなどかなり凝った楽曲である。『We're Coming In』ではひたすら「Motherfucker」と叫び続けるかなりライブでは暴れる曲になりそうである。全体的に叫び、激しい印象であるが、『Soul'd Me Out』などで時折見せる美しいメロディーに心を奪われる。RATMなどのようにただ怒りをぶつけるだけでなく、計算された美しさとテクニカルさ、キャッチーさがある。

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8.7/10.0

Cancer Bats 「The Spark That Moves」

カナダ発のハードコア、ポストハードコア、メタルコア、スラッジなどを含有した4人組による6枚目のアルバム。

 

1曲目「Gatekeeper」重たくグルーブメタルを彷彿とさせるような思わず頭を振りたくなる重たくうねるリフでLamb of Godをイメージさせる。続く「Brightest Day」はサビでブレイクダウンを挟むなどメタルコア的手法も垣間見れる。続く「We Run Free」は最初から最後まで駆け抜けていくハードコア的速さがある楽曲である。「Space and Time」はスラッジ的な粘りつくメロディーとリフが印象に残る。「Bed Of Nails」はシンガロングで盛り上がりそうなポップなメロディーと暴れまわるベースが印象的である。「Rattlesnake」でもシンガロングで盛り上がりそうなメロディーが印象的である。最後の「Winterpeg」はベースのどぎついイントロから始まり、盛り上がる曲となっている。

ハードコアの要素というよりLamb of Godのようなグルーブメタルの印象を与えるリフやピッキングハーモニクス、曲の構成となっている。アルバム自体はおよそ35分とコンパクトにまとまっており飽きることなく頭を振りながら聴き通せる。

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8.2/10.0