ユンボにまたがって

聴いた音楽の感想等々

Primitive Man 「Caustic」

2012年に結成したコロラド州デンバーのスリーピースのデススラッジバンドによる2017年発表の2作目のフルアルバム。

 

日本語訳すると「苛性」という題名のアルバムだがそもそも苛性とはという感じである。因みに苛性とは動植物の組織などに対して強い腐食性があることという意味らしい。その名に恥じぬほど聴く者をスラッジの沼へと誘うアルバムである。ジャケットに見られる鉄球のように重々しいアルバムとなっている。全般錆びついたようなグロウルで歌われ、ギターの荒々しく生々しい歪みやノイズが炸裂している。ドラムは一打一打が重たく、まるで重戦車や重機が全てを薙ぎ倒し破壊しながら進んでいるかのようである。初っ端から脳天を撃ち抜くヘヴィさで一切の休憩など無く77分間絶え間なく攻め続ける。時折ハードコア的な疾走を見せるものの基本的には地下世界のようなダークでおどろおどろしい曲がひたすら続く。「Victim」では序盤疾走感をみせるが途中テンポチェンジして黒い渦を巻くかのようなスラッジ・ドゥーム節が炸裂する。「Commerce」や「Disfigured」など10分を超す大作も十分すぎるほどの魅力である。特に終盤の3曲は圧倒的な重厚感がある。まず「Disfigured」と「Inevitable」は両方とも10分を軽く超え、聴き手を泥沼へと引き摺り込むドロドロとしたスラッジ的な楽曲である。そしてクローザーの「Absolute」は9分近くに渡る単一リフ的なノイズでカタルシスを生む。棍棒のような原始的な鈍器で脳髄をブン殴ってくるという重さ・遅さ・汚さが揃っている。このスリーピースバンドとは思えない圧倒的な圧力と重厚感は比類するものがない。爆音で77分間通して聴けば別世界に行けるだろう。

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8.9/10.0