ユンボにまたがって

聴いた音楽の感想等々

老人の仕事 「老人の仕事」

killie、johann、CxPxSのメンバーで結成された3ピースインストゥルメンタル・ドゥーム/スラッジコアバンである老人の仕事によるデビューアルバム。

 

重厚なベースとドラムに加えて煙たいギターリフがDoomな世界へと聴き手を連れていく。ボーカルはなく、ただ唸り声が響くだけでより独自の世界観を築き上げている。アルバムに収録されているのはわずか3曲で32分と1曲あたり10分近くであるがむしろ物足りなさがあるくらいそれぞれが強烈で良曲である。アルバムのオープニングを飾る「霊峰を望む」はSleepのDopesmokerを彷彿とさせるリフと楽曲の構成となっている。次の「庵にて嗅ぐ」は途中笛の音とDragonautのようなリフと合わさってまるでマンガ日本昔話のオープニングの龍に乗っている様子が思い起こされるような気がする。また吠えているような声は修験道の山伏の声のようで、より全体的に和の要素強めている。そして最後の曲「翔んで見せろ」は軽快なイントロから一気にヘビーなリフへと変わり、全く翔べる気がしない重たい楽曲である。Sleep's Holy Mountainの聖なる山が今作では富士山で、Dragonautのイェルサレムが今作では伊勢神宮になっているかのようなSleepを噛み砕いて消化して日本的にしたSleep愛が詰まっているアルバムである。

「老人の仕事」の画像検索結果

8.7/10.0