野狐禅 「ガリバー」
最近巷で話題の竹原ピストルが以前やっていたフォークバンドの3枚目のアルバム。
言葉遊びと強いメッセージを備えた「日々、割れた日々」や「じゅうじか」など笑えるところがありつつもダメだなぁとなってる人を励ますような曲でもある。また竹原ピストルのエモーショナルな声と濱埜宏哉の悲しげなキーボードが冴える「秋月」や「東京マシンガン」といった激しさだけでなくゆったりとしたテンポでも野狐禅らしさが失われてはいなかった。また「不完全熱唱」のように意味不明な歌詞で笑わせてくれ、しかしサビで力強いメッセージがあるような気がするようなしないような曲もある。このアルバムのハイライトと思った「ならば、友よ」は諦めるな、立ち止まるなといった背中を押してくれるメッセージのこもった熱い曲である。そして「桜」でこのアルバムを切なく締めくくる。
推進力が必要な曲にはドラムを入れ、優しい感じが必要な曲には濱埜宏哉がコーラスをするといった贅肉をなるべく削ぎ落とした人の背中を押してくれるようなシンプルなアルバムだと思う。40分9曲が物足りなく感じる。アルバムのジャケットもガンバに見えるし、ちょっと今ダメな人間になっているかもって人に送る応援歌。
Rating 8.5/10