ユンボにまたがって

聴いた音楽の感想等々

Boris 「Dear」

Melvinsの楽曲からバンド名をつけた日本の轟音スリーピースバンドBorisの結成25周年を迎える凡そ3年ぶりのアルバム。

 

Borisはアルバム毎に作風が変わるとよく言われているが今回のアルバムは重い・遅い・うるさいのドゥーミーなアルバムとなっている。初っ端の「D.O.W.N -Domination of Waiting Noise」から黒い塊が地を這うように進み、「Absolutego」で黒い塊が爆発する。そこから一転して「Beyond」では黒々としたものから妖艶さがある黒い塊へと変化している。その束の間の休息から「Kagero」ではまた地を這うように進み始める。「The Power」では似たようなリフが延々と続いていくこのアルバムでのインスト傑作である。ラスト二曲は合わせて20分超と長大な締めくくりとなっている。まるで霧のなかにいるような「Dystopia」と呪術的な「DEAR」で神秘的というか不気味な感じで終える。アルバムを通して推進力が殆ど無く、ゆったりとしたリフとノイズとともに曲が展開していく。ドゥームに多少ポップな歌メロがついたかな?みたいな印象ではあるが、それによって曲毎の差別化ができており途中でダレることはないように思える。69分間にわたる大作を爆音で通して聴いたときの余韻は比類なきものになるはず。難聴必至の一枚。

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8.4/10.0