ユンボにまたがって

聴いた音楽の感想等々

Dylan Carlson 「Conquistador」

2018年発表のソロデビュー作。

 

EarthのギタリストかつEarthの発起人でもあるドローン・ドゥームマスターのDylan Carlsonによるソロデビュー作。EarthといえばSub Popから出された3曲70分というEarth 2に代表されるような強烈で重苦しい重低音のノイズがひたすら流れ続けるというのを否応なしに想起してしまうものでかなり身構えていたが、普通とは何かとなる人もいるであろうが思った以上に普通のインストアルバムとなっている。アルバムの1曲目の「Conquistador」という楽曲はから13分超とかなり飛ばしてくる。基本はギターのゆったりとしたクランチ気味のアルペジオのフレーズを延々と繰り返す内容となっているが、要所要所でフレーズを変えたりストリングスを入れて盛り上げていったりするなど変化があり長さを感じさせることがない。初っ端から綺麗なフレーズを延々と弾き続けるというストーナー感が満載である。長尺な楽曲は最初だけで、2曲目以降は基本的に5~6分の曲が主体となっている。「When the Horse Were Shron of Their Hooves」はやや歪んだギターリフが繰り返されるストーナーな楽曲である。若干スピード感はあるものの、やはり基本的に遅い。しかしEarthのような重苦しさがある遅さではなく、まるで目が回るかのような遅さである。4曲目の「Scorpions in Their Mouths」ではホワイトノイズが早々吹き荒れ、Earth 2のようなのがくるのかと思いきや、リズムが存在するディストーション気味のギターリフがまた繰り返されていく。5曲で32分である今作はドラムなどリズムを刻む楽器が一切なく、Dylan Carlsonが本当に一人でギターを弾きまくるというストーナーアルバムとなっている。

f:id:tortillarhcp:20180508231843j:image

7.9/10.0